ドイツ切手文化歴史の先頭ページへ

ドイツ関連図書紹介


ドイツ切手を収集する人にとって参考になる書籍を紹介するコーナーです。
ドイツに関連する本は毎年多く出版されてきています。いわゆる郵趣文献などはほとんどありませんが、ドイツ切手の知識を得るとか、歴史、旅行などに役に立つものが少なくありません。ここに紹介する書籍はドイツ切手部会の機関誌「ドイツ切手部会報」の過去において掲載されたものからの抜粋です。

商品サイクルが短くなっている現在、必ずしも書店の書棚に並んでいないかも知れません。書籍を入手するにはまず大きい本屋にて探し、もし在庫がない場合取り寄せて貰うことができます。今日ではインターネットで探し、購入という手も便利なものです。絶版であっても図書館を利用するとかで読むことができるでしょう。

ブリキの太鼓

地下のベルリン

戦時下のドイツ大使館-ある駐日外 交官の証言-」

ハプスブルク帝国を旅する

鍵穴から見たヨーロッパ

ドイツの秘密情報機関

ドイツ=鉄道旅物語

ベルリン特電

都市フランクフルトの歴史ーカール大帝から1200年ー

ドイツ映画「グッバイ、レーニン!」


-ダンチヒとポーランド局内部が登場する-
「ブリキの太鼓」

ギュンター・グラス
集英社文庫 全3巻 合計\1680
ビデオ(カルチュア・パブリッシャーズ) \3800

ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの出世作。1920年代のダンチヒに生れた主人公のオスカル少年は、3歳の誕生日にブリキの太鼓を手にしたまま地下室に転落し成長が止まってしまいます。ブリキの太鼓をたたきながら世の中の矛盾に出会うたびに奇声を発してしまう主人公の一生を描く作品。郵趣的には、1939年のナチス・ドイツのダンチヒ攻略の際に、唯一抵抗したポーランド郵便局のシーンが見どころ。主人公の叔父カシューブ人のヤン(実は主人公の父)はダンチヒのポーランド郵便局員という設定。消印を押印するところ、宛先ごとに郵便物を区分するかごなど局内の様子や、攻防戦の様子が見事に映像化されています。活字は難解ですからビデオを鑑賞してから文庫を読むと理解が早いと思います。ビデオは、フォルカー・シュレンドルフ監督による1979年の作品(西ドイツ・フランス合作)。ただし18歳未満の前での鑑賞は避けた方がいいかも知れません。(まが)
部会報 2000-4

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地下のベルリン

河合純枝
文芸春秋社 \3238

書店でこのタイトルが目に飛び込んで来た時、Uバーンや核シェルター、ヒト ラーの地下壕、東からの逃亡用トンネル、そして気送郵便などがまず頭に浮かんだ。 しかし、目次を開いてびっくり、中世の墓場から上水道、下水道、石炭屋、ビヤ ホール、完成したまま使われなかった駅など古き良き時代のベルリンの遺物から、 地下拷問室やら前述のような戦中戦後のいまわしい歴史の残骸、そして今また新 たに作られつつある現代の地下構造物など44ヶ所がずらり。

この本を書 いた人はベルリンに住む日本女性、どういうわけかベルリンの地下 構造物に取り つかれ、これらドイツ人も知らない20世紀のタイムカプセルに長年実際に潜り込 んで探査してきた結果をまとめたもの。
中には当然一般人の立ち入りを認めていない所もあり、探査実現には相当苦労し た様子。プロカメラマンによる写真もたくさん入っている。特に戦中の遺構は不 気味そのものである。

1876年にスタートした気送郵便は、最盛期の1913年には年間扱い数1240万通になったということで、その装置は郵便博物館にも展示されているそうだが、実は昔の中央電信局の地下に完全な形で残っている。第二次大戦後も西側では1971年、東側では1983年まで機能していたことなど、5ページを割いて詳しく述べられている。
ベルリンの歴史に関心のある方にはぜひおすすめの異色作。 (お)

部会報 1998-10

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「戦時下のドイツ大使館-ある駐日外 交官の証言-」

エルヴィン・ヴィッケルト
中央公論社 \1800

1915年生れの著者は歴史小説作家としてまた東洋通として有名。ベルリンと ハイデルベルクで学んだ後アメリカへ留学、ジャーナリストとして極東を旅する。
1939年その経験を買われてヒトラー政権下の東京ドイツ大使館に勤務、戦後本国へ送還されるまでの6年間滞日した。

本書はその半生を綴った自伝から滞日期間を翻訳したもの。政治外交的な記録ではなく、あの日独が世界で孤立した日々の中で同僚たちとともに戦時を以下に過ごしたか、頑迷な大使との戦い、空襲や疎開の体験。ゾルゲとの出会いなど興味あるエピソードがユーモアを交えて随所に語られる。
同盟を結んだはずの日独両国がまるで相手を信用していなかったことが、悪戦苦闘する大使館員たちの毎日を通してよく伝わってくる。
おそらく世界中でただ一つだけ行われたであろうヒトラーの追悼式にも日本政府からは外務省の儀典課長代理が出席しただけだったという。

郵趣に関係する部分はまったくないが、時代背景を実感するにはいい読み物。   (お)

部会報 1998-4

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「ハプスブルク帝国を旅する」

加賀美雅弘
講談社現代新書 \700

ウィーンで一青年からたまたま譲りうけた1908年発行の「帝国保養地案内」から話は始まる。著者はこの本を片手に、かっての広大なハプスブルク帝国の版図をオーストリア、ハンガリー、ボヘミア、南チロルと巡り、各地の文化歴史を探訪する。波乱に富んだ宮廷の歴史は本もいろいろ出ているが、それらの歴史書や国別ガイドブックでは得られない、地理的、文化的、歴史的関係が日常生活レベルで実感できる。たいへん読みやすく手頃で、その後のヨーロッパの歴史を考える際の助けになるであろう好著。 (お)

部会報 1998-4

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「ドイツの秘密情報機関」

関根伸一郎
講談社現代新書 95.8刊 \650

ヒトラーと秘密情報部、ゲーレン機関、戦後のBNDの発足、そして東独のシュタージと今世紀激動ドイツの秘密情報機関の概略をまとめたもの。扱うのが秘密情報機関だから無理のないところではあろうが、事件の記述におわれて(それも時期が前後したりして要領がわるい)著者自身の見方が出ないまま終わっているから、はっきり言って退屈。ドラマチックなものを期待して読むとがっかりする。しかし、類書がないようなのでガイドブックとして紹介しておく。(お)

部会報 1995-12

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「ドイツ=鉄道旅物語」

野田 隆
東京書籍 95.8刊 \1500

ドイツの三色旗になぞえらえた腰帯には「ドイツの旅は鉄道に限る」と大書してある。専門雑誌を読むほどではないけれど、電車の一番前に乗って前方を眺めれば、いまだに3時間や4時間立ちんぼでも平気な僕には、このカラーイラストいっぱいの本はご機嫌な1冊である。

ICやIR、ペンデルツーク、ICE、蒸気機関車、トラムの話も楽しいし、ドアの構造、連結作業、名前のない路線の話など読むとすぐにも行って見たくなってします。いわばドイツ鉄道(DB)旅行の入門書。写真でないだけにほのぼのした旅情をかきたてられる。陸続きのヨーロッパのこと、ドイツの車両も他国へ出て行くし、他国の車両も入ってくる。
それらを見たり乗ったりしながら著者はヨーロッパってなんだろうなんて考えている。おだやかな文章の随所に文明批評的な眼が光る。(お)

部会報 1995-12

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ベルリン特電

江尻 進
共同通信社 95.8刊 \1800

1939年2月突然ベルリン支局長を命じられ、到着早々ポーランド侵攻に接した同盟通信記者の回想録。ベルリン陥落直前、スイス国境近くの小村に脱出、ここでヒトラーの死を聞く。米軍に収容され米本国で抑留ののち帰国。中央政府が崩壊したにもかかわらず、村役場がきちんと動いているのをみて、ドイツの伝統文化を再認識したりするなど、所々に出てくる著者の観察が面白い。(お)

部会報 1995-12

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都市フランクフルトの歴史ーカール大帝から1200年ー

小倉欣一・大澤武男著
中公新書 94.9刊 \840

中世以来神聖ローマ帝国皇帝の選出・戴冠都市であり、大市開催地であり、近代にはドイツ統一運動と国際金融の中心地となったフランクフルトの歴史をたどることでドイツの歴史を描き出している。ビスマルク、ヒトラーがなぜフランクフルトを嫌ったかなど興味深い記述がある。(お)

部会報 1995-02

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ドイツ映画「グッバイ、レーニン!」

ベルリンの壁崩壊に続く、ドイツ再統一前後の旧東ドイツ地域での起こる悲喜劇のなかに家族愛を綴った映画で、ドイツでは大ヒットしました。

我がドイツ切手部会においても14年前、この歴史の大変動に驚きと好奇心で見入っていました。通貨統合、東ドイツ切手の終焉、ベルリン地区の切手の役目終了など予想を越える出来事でした。
東ドイツ、西ベルリン、西ドイツの各地域の切手の混貼りカバーが人気を集め、世紀のイベントを飾る希少なマテリアルの収集に皆が夢中になっていた時期でもあります。 しかし遠く離れた異国のこと、まして旧東側体制の国だったとあって、再統一前後の東ドイツの中で実際に起こっていることは窺い知れませんでした。

映画の主人公はテレビの修理工です。一党独裁の国にあって、電話もなく、旅行もできず、ストレスが溜まる一方の国民にとってテレビは唯一の娯楽であったようです。テレビを見るのが日課になっている旧東ドイツ市民生活のなかで、テレビの修理は欠かせぬ仕事であったことと思われます。
ストリーは彼の母親は心臓発作で倒れ、植物人間になり、その間に東西ドイツは再統一してしまいました。その後意識を取り戻した母親に、ショックを与えないために東ドイツはまだ続いていると思わせるために彼はドタバタと走りまわるのです。

東西ドイツの統合を東側から見た人間模様と写しだされる風物詩、主人公が母親をだますための拘った小道具など妙に納得させられます。テレビは狂言回しの役でしょうか。コカコーラの広告の垂れ幕が隣のビルにかかるなど次々と押し寄せる西側の文化を母親の目を逸らし、辻褄を合わせるために主人公は友人を巻き込みテレビニュースまで制作してしまうのです。そして最後の極めつけは・・・・。
ネタばらしはこのくらいに。
再統一を検証すると言ったら大げさかも知れませんが、見に行く価値は十分あると思います。
「グッバイ、レーニン!」は恵比寿ガーデンシネマにて公開中です。 (ひ)

この映画の参考サイトはこちらです。

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「鍵穴から見たヨーロッパ」

浜本隆志
中公新書 97.1刊 \680

ヨーロッパの生活は鍵の生活dファとは現地生活を経験した人からよく聞くことだ。日本では鍵はもっぱら盗難対策という日常生活の実用面しか頭に浮かばないが、この本を読んでみるとヨーロッパでの鍵はもっといろいろな意味を持っていることがわかる。鍵と錠の技術的変遷や職人の世界もそれ自体面白いが、図像学、民俗学、社会学、文学など多くの角度から分析、最後にヨーロッパの鍵文化を日本の鍵なし文化との違いを個人主義と集団主義との関連で説いている。事例はドイツ中心。(お)

部会報 1997-2

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